隔絶の向こう側


モンゴルの首都ウランバートルから、
車で一昼夜、
悪路をジープでひた走った所、
ゴビ砂漠の縁のあたりにある、
マンダルオボー村に調査で入ったことがある。
そこは、
首都へ向う定期便も無く、
電話でさえ、
ほったて小屋に、
不釣り合いな巨大なパラボラアンテナが乗っかった電話所で、
交換手にお願いしないといけない。
そんな、
なんの連絡も取れない隔絶された所へ身をおくと、
いつもは、
超めんどくさがりで、出不精で、
人見知りで、腰の重い僕も、
切迫感に背中を押され、
身が軽くなり、
言葉の通じない人とも話し、
人前で歌まで歌い、、、
自分を超えた知らない自分に出会える。
それは例えば、
糸の切れた凧になった気分で、
爽快でさえある。
メールに携帯。
便利になってしまった今だからこそ、
たまには自らそれらを投げ捨て、
自分を追い込まないといけないのかな、
と思います。
石窯でパンを焼くのもそんな感じです。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」