旅するパン屋⑫/レトロ・イノベーション
(『中国新聞』2007年6月28日掲載) 「自然や文化を守り、環境問題を解決したい」 このおもいに僕は20代を捧げ、今まで書いてきたように旅をしてきた。 それが今では旅をやめ、 環境とモンゴルの仕事も辞めて、 パンばっか...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年6月28日掲載) 「自然や文化を守り、環境問題を解決したい」 このおもいに僕は20代を捧げ、今まで書いてきたように旅をしてきた。 それが今では旅をやめ、 環境とモンゴルの仕事も辞めて、 パンばっか...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年6月28日掲載) モンゴルの草原で遊牧民と暮らした時の話。 モンゴルの羊の捌き方は、一滴の血も流さない。 なにかを察して暴れる羊。 僕の手は、その羊の足を押さえつけている。 振りほどこうする凄い力...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年6月28日掲載) 「食べ物が、一番の環境問題じゃないか、、、」 大学時代、環境問題を激しく勉強した私は、 卒業後、 実家のパン屋には目もくれず、 活動の場を求め、家を飛び出した。 その時、父親が、...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年6月28日掲載) 「菓子パン朝食、日常化は危険、、肥満と糖尿病を誘発」 ちょうど一週間前。8月16日の中国新聞の記事だ。 これは、パン職人の悩みでもある。 「俺は毒まんじゅうを作ってるんだ。」 パ...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年6月28日掲載) 美味しいもの、 て何処にあるのだろう。 大学の時、自転車に鍋やテントをつんで走る、 という部活をやっていた。 仲間達と、 沖縄、九州、四国一周、東北縦断、北海道横断、 その他の半...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年6月28日掲載) 僕が石窯で焼くパンには、 砂糖も、油脂も入ってない。 国産の麦と自然塩、 そして天然酵母を捏ねて焼く。 だからか、 菜食主義や、今流行のマクロビオティックのお店、 とよく間違われ...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年8月2日掲載) 「苦労=感動」 それは、たべものにも言える事なのか? 知床岬への旅は。それを検証する旅でもあった。 1999年8月19日 【1日目 晴れ後曇り】 相泊(最後の集落)発 険しい崖を登...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年7月26日掲載) 「良い食材をシンプルに食べる」 贅沢な食事とは、そういうことなのではないか? 活きの良い魚を刺身で、 プリプリ生ガキは殻から直に、 朝露ついてるアスパラなら茹でて、 シャキシャキ...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年7月19日掲載) フラフラしていた大学4年生の冬。 僕はドイツに行った。 その地で食べたパン。 カイザーゼンメルという堅焼きパンや、 プレッツェルというビールのつまみパンは、やっぱりおいしかった!...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年7月12日掲載) 暑くなってきたので、 辛い辛いカレーの話です。 1993年、17才の夏。 僕は暑さでクラクラしていた。 ドーン、ドーン、 タタタタッ、タタッ、 近くの山から、重低音が響く。 暑さ...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年7月5日掲載) 僕は、パン作りに迷うと、山へ登る。 「なるべく自然にパンを焼く。」 それが、僕のモットーだ。 石臼で挽いたグレーがかった小麦粉を使い、 水と塩だけで捏ね、薪で焼く。 自然の理にあっ...
連載-『旅するパン屋』(『中国新聞』2007年6月28日掲載) 「パンなんてなくなってしまえ!」 とずっと思っていた。 実家はパン屋だったものの、パンは好きではなかった。 小学生の時にはすでに、屋上に寝転んで空を眺めながら、 パンを日本から...