休耕田でパンをこねる

命が湧く。

今年も新たな休耕田に水を入れた。
集落のおじちゃんも、この田んぼに水が入ってるの初めて見た、て言ってくれた。
水を溜めて2ヶ月経って、息子と水生昆虫探しをした。
予想以上だった。

自分が子ども時代の憧れの水生昆虫だったミズカマキリが、うようよいる。
小さなゲンゴロウ。大きなガムシも。
イチョウスギゴケが水面を覆い、藻が水中を漂ってる。
鳥のセキレイが休みにきている。
もちろんトノサマガエルもまだ泳いでいる。

水生昆虫=上位捕食者がいるということは、そのエサ、またそのエサと、
大量の生き物がいるということだ。
微生物も沢山増えているだろう。
何が潜んでいるかとワクワクする!

「水があると面白いねー!」
と息子と連呼しつつ網をもって1時間も歩き回った。
長靴がはまって脱げても、
夕方で寒くなってきても、
池の水面が、水中が、ドロが、魅力的でずっといられる。

命が湧いている。

網を振ってる息子を見ながら、
パンも似ているなー、と思っていた。
僕は麦は発酵したがっていて、パンになりたがっている、と感じている。
粉と水を混ぜると勝手に菌が増えていく。
色んな酵素もPHも菌の力と共にパンに向かって収束していくから。

そのスタートもやっぱり、
水との出会いだ。
水と捏ねることで、何かエネルギーが動き出す。
スイッチがオンになる。

命の気配のなかったところに、どんどん命が湧いてくる。

田んぼは水が入ると如実に面白く、
菌も増え、生物も増えていく。
乾いた草っ原よりも、
綺麗な清流よりも、
この湿地というのが、妙に生き物が多く、賑やかなのだ。

パンも田んぼも、賑やかなのがすきなのかな。
イーストとか肥料とかは、なぜか賑やかでなくなる。
なんでだろう?

「おせっかいが、1番修行の邪魔なんだ!」
と、山伏修行のとき、星野先達に怒られたことがあった。
きっと、おせっかいなんだろうな、いろいろなことが。

これを感じちゃったら、
もう肥料も農薬も使えないな。
米作り大変になるな。。。
と思いつつ、やっぱりそういう方が楽しい自分もいる。

子どもと同じで、ドロドロになるのも面白い。
パン作りも、米作りも、息子のドロ遊びと同じだ。
この田んぼは、ずっと遊ぶ用の池にしとこうかな。
休耕田復活も4枚目。クセになる。