Dead Poet Society


「たむら、
 おまえはやさしすぎるんだな」
と言われて、
涙が止まらなかったのは、
大学4年生の春だった。
懸命に環境問題を研究した。
でもそれは、
やればやるほど、
自分自身の立っている足下を、
掘り崩して行くようなものだった。
自分自身の暮らしがガンなのであって、
あーだ、こーだと言っても、
日本で生活している以上、
環境に負荷をかけずに生きるには、
仙人にでもなるしかない。
人口爆発を終え、
輸出して買ってもらい、
食物をほとんど輸入している国にすんでいる以上、
仙人になったとしても、
日本人でいるならば、
負荷をかけている。
知らなきゃよかった。
でも知ってしまった以上、
居場所がなくなった。
就職して金儲けするのもダメ、
院で研究を続けるのも違う、
雲にでもなるしかない。
そんな時、
先生の所へいって、
想いを話し、
「モンゴルへ行って遊牧民になります」
と言った。
そうしたら、
「たむら、
 おまえはやさしすぎるんだな」
と言われたのだ。
話の筋とは、
ちょと違う、
唐突な先生の言葉に、
涙が止まらなくなった。
最初溢れた涙は、
迷いに迷っている時に、
解ってもらえたような気がしたからだった。
けど、
その後から流れてきた涙は違った。
社会はそんなものではない、
自分は甘すぎる、
1人モンゴル人になったところで、
どうなることでもない。
ただの自己満足で、逃避で、自慰行為だ。
そんな自分で解っていたところも、
その言葉は同時に意味していて、
涙が止まらなくなったのだ。
うれしくも、
なさけなくもなる、
あの一言は、
今でも僕の指針となっています。
でもあの頃は、
青く、真っすぐだったのにな。。
今や、、。
テレビで、
『いまを生きる』
をたまたま観て、
そんな事を思い出したパン屋です。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」

9件のコメント

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私も涙が出そうになりました。
同じところを巡って、パン屋になった人がいる。
さぁ、私は何になろうかな。
私にも必要な話でした。
ありがとうございます。

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「あの頃は
 青く、まっすぐだったのにな。。」

そんなことを私もちょうど自分に対し思っていました。

今まっすぐパンと向き合っている
たむらさんを見て
とてもステキだなと思っています。

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メジャーな雑誌にいっぱい取り上げられ、今やドリアンさんは全国区のパン屋さん。ドリアンさんを目標にしてるパン職人さんも、沢山居ると思います。変わらずに・・・いつまでも【そのままのドリアンさん】でい続けて下さいネ(^^)♪

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shihoさん>>
こんにちは。
そうですよねー、
どんなに真っすぐでも片寄ると、全うできないんですよね。
柔軟でいて強い意志、
いい言葉ですね。メモっときます!

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ちさウサさん>>
お元気ですか〜。
自分はたまたまパン屋だった、
というか無理矢理パン屋に、
とうか泣く泣くパン屋に、、なので、
でも、今はパン屋でよかったなと思ってますからね、
何をやっても、きっと同じ所へ行くような気もします。。

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ミサキ・マルガリータさん>>
こんにちはー。
そうなんです。時々、昔の自分にジェラシーです。
昔の日記の方が、いい言葉書いていたり。。。
大人になっても、真っすぐさは必要なんでしょうね。
バランスをとるか、
突き抜けてしまうか。
ああ、こんな事、考えるところが、真っすぐでないなー。

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きらりさん>>
ありがとうございます!
いつまでも、緊張してパン焼けるようでないと、
いけないなー、と思ってますっ。

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