暫定一位の法則

うちのパン学校で一番最初に宣言するのが、
「暫定一位の法則」

いろんな事柄に対して、自分の暫定一位を決める。
ただ、それは、暫定であって、コロコロ変わっても良い。

他人の暫定一位は、他人様の暫定一位なので、
気に留める必要もない。

ということだ。

今伝えるパンの作り方も、
今、暫定一位で、自分が良いと思っているだけのもの、
だから変わるかも知れないし、
生徒の暫定一位がそれになる必要はない。
だからこそ、学校内では、自由に議論ができる。

パン作りだけじゃなくて、
働き方も、生き方も、自然観も、政治観だって、それぞれの暫定一位で良い。

何が正解で、何が不正解か、複雑になっている時代だからこそ、

「絶対一位」

を決めてしまうと、
何も言えなくなってしまう。

一昔前は、自分としての、絶対一位を突き詰めて、
それを主張し、発信していき、
教育でも、それを絶対的な正解として教えていく、というティーチングの時代だった。

でも、いざそれが、間違いだったら、苦しくなってしまう。

SNS時代だと、叩かれて、批判され、対立が生まれ、何も言えなくなってしまう。
下手すると自殺まで追い込まれる。

でも、今は違う。

それぞれが、自由に、自分の暫定一位を求め、それを主張して、
コロコロ柳のように変化して行けば良いのだ。

そうすることによって、社会全体として、柔軟さと、強さを得ていくのだと思う。

20代を環境問題に捧げた僕でも、
かつての暫定一位は温暖化は最重要課題だったけど、
今の暫定一位は、CO2での温暖化は無いと思っている。

もっとぶっ飛べば、
星空を眺めていたら、暫定一位としては宇宙人はいると思う。
パン屋は全員お米を育てるべきだと、暫定一位として思っているし、
朝4時に起きて、運動して瞑想して過ごすのも暫定一位だ。
野菜の育て方もお米の育て方も今のやり方が暫定一位だけど、
集落の人に教わると、すぐにコロッと暫定一位が変わったりする。
SDGSもLGBTも自分にとってまったく興味ないのも暫定一位。

「あ、でもこれ、僕の今の暫定一位です、すぐ変わりますけど。てへ。」

というぐらいでないと、
今の時代は不自由になる。

暫定一位は、争わない。傷つかない。
八百万の神々を感じている日本人的な考えだと思っています。

これもまた、
今の僕の暫定一位なのです。

2件のコメント

強く同感します。

僕より先輩世代より、若い子達の考え方や行動にハッとする事が多く、今まで自分は何をやって来たのか…って思う事ばかりです。

そろそろ体力的にも折返し地点…(もう過ぎてるかも)なので、改めてもっと自分の「暫定1位」を大切に過ごして行きたいと思いました。

暫定一位だと、人の話もふんふんとうなずけますもんね!
なるほどと思えば、暫定一位変えればよいだけですから*(^o^)/*

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