月刊 石窯ファン (創刊号ーフロイン堂のつづき)


ーーー前回のつづきーーー
近隣からの煙の苦情はただの1件も無かった。
が、フロイン堂の武内さんはそれでも、
様々な煙を消す方法を試してきた。
 
煙突の途中で水を霧状に噴射する方法。
バーナーで煙を焼き消してしまう方法などなど。
 
どれも膨大なランニングコストがかかり、
結果も納得のゆくものではなかった。
そして、薪を燃やすのをやめた。
そこには、
仕事に誇りをもち、こだわりに、こだわり抜く、
”日本の職人”の姿が、意地があるような気がします。
「いつでも燃やせるようにね、、、」
と窯の前には薪が積んである。
それは、
”必ず再び薪の炎で”
という心意気を示していたのでしょう。
フロイン堂なら、必ずや、、、
と僕たちも思ったのでした。
そんな熱い話の後、
私達は興奮気味に、
武内さんを質問攻めにしました。
それは、憧れのプロ野球選手に、
質問をしている野球少年の心境。
石窯の作り方、熱し方。
昔ながらのホイロの仕組み。
工場を地下に作る理由について、、、などなど、
ここには、パン作りの知恵と歴史が詰まっていた。
古いのだけど、ヨーロッパの空気が漂う。
ペラペラでないどっしりとした空間なのです。
最後に「がんばってねっ」と声をかけてもらうと、
「あーざーしたっ! 失礼しますっ!」
と、
体育会のノリで工房を出て、
「また来月も来よう」
「近くにモヤシを買いに来たついで、だとか言って通おう」
と話しながら広島へ帰ったのでした。
全国の若きパン職人の皆さん、是非フロイン堂へ行ってみてください!!
そこには、一世代前の職人が引継げなかった、
パン作りの根っこが、技術、伝統、知恵がまだ生きてます。
やはり、フロイン堂は石窯界の横綱にとどまらず、
日本のパン屋の聖地であったのでした。
「石窯で焼く天然酵母パン-ドリアン」
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フロイン堂
兵庫県神戸市東灘区
岡本1-11-23
TEL 078-411-6686
(パンの予約は当日分のみ。発送不可)
8:00〜19:00
日祝 定休
地図

2件のコメント

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続編、あーざーすっ!!!
薪に火が灯らない事は残念でも、
その理由からして、ぐぅの音もでないとはこの事ですね。
惚れました…いや、惚れ直しました………

>憧れのプロ野球選手に、質問をしている野球少年の心境。

てのも、ごっつ判ります!その場に居合わせたかった位です。
歴史、知恵、チカラを感じたかったなぁ~
→酔狂なやっかみ
私も一緒に、もやしを買いに行きたいですーーー!
→本気と書いてマジと読む。

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お、読んでいただいて、あーざーすっ!
いや、本当に武内さんには惚れ込みました。
もっともおとお話聞いてみたいです。
次モヤシ買いに行く時には呼びかけますね!

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