モンゴル人は歯が命

「モンゴルのホームステイ-モンゲル」
 ウランバートルで、
 とってもお気に入りの食堂がある。
 ここの料理はうまい。
 今日もお客でいっぱいだ。
 と周りを時々見ながら、
 僕はゴリヤシュという、
 肉を煮たのと、ご飯と、サラダが一皿に盛られている、
 モンゴル定食とでも呼ぶべきこの料理を食っている。

 
 うまいなあ、
 なんでここのはうまいんだろうなあ、
 と考えながら食っている。
 サラダを食った。
 いつもは気にならなかったけれど、
 今日はいろいろ考えながら食っているからか、
 すこし甘い気がした。
 
 まさか!
 と思いながら肉を食った。
 他の店の料理より甘い気がした。
 なんだか複雑な気分になった。
 日本の外食産業では、
 砂糖を多く使えば客が増える、
 という法定式がある。
 一昔前。
 小僧寿司やマクドナルドが成功したのは他のチェーン店よりも、
 しゃりやシェークを甘くしたからだとか・・・。
 生物学的に見ても、
 エネルギーの高い砂糖を好むのは、
 道理にあっている。

 
 モンゴルの料理には砂糖はほとんど入らない。
 塩も控えめ。
 肉の味で勝負のストレートな料理が多い。
 そんな料理を食べていると、
 日本に帰国したときに、
 駅前のそば屋の昼定食が、
 甘く、塩辛く、とにかく濃くて、
 食べられない。
 モンゴル人は皆歯がきれいだ。
 乳製品が良いとか、
 いろいろ説があるけれど、
 僕は単純に砂糖を摂取する量の問題だと考えている。
 
 
 砂糖を増やせば客が来る。
 でも虫歯は増える。
 モンゴル人は歯が命。
 複雑なおいしさなのです。