奇跡のりんごが普通のリンゴになるといいな


sain pierre村で食べたりんごがとても美味しかった。
「家の庭にあるリンゴの木から落ちた実を拾って。
涼しいところに置いておけば春ぐらいまでもつのよ。」
といわれたリンゴは、
日も経っているし、見た目は傷もついているし、虫食いもあるから、
大丈夫かよ、と思った。
日本での感覚なら、こんなふうになったリンゴは、
切ってももう中身はゴゾゴゾにモロくなっているはず。
お祭りでリンゴ飴のはずれを買うと、
もうリンゴが古くボロボロで美味しくない。あの感じ。
でもその見た目の悪いリンゴは、
皮をむいて半分に切ると、
ものすごくフレッシュ感に溢れた断面。
そして噛むと、
パリンッと力強い歯ごたえで、
酸味と甘さが心地良い。
あ、これなら春までもつかもしれない。
と思わせるちょっと野生を感じさせる生命力に満ちているのです。
こんなリンゴ、
日本にあったっけ〜、
と思いを巡らせていると、
『奇跡のりんご』
(リンゴ農家木村秋則さんの本です。
以前に読んで泣きました。
前書きですでに泣きました。
(ブログにも書いています)
に出てきた、
木村さんの作ったリンゴのをどこかのシェフが表現していたのにぴったりだったのです。
確か、
木村さんのリンゴは腐らない。
古くなるとしぼんでいくけど腐らない。
と書いてあったような。
この本は、
無農薬、無肥料でリンゴを作る話しなのです。
本当に大変なことらしいのです。
虫もつく、
リンゴの見た目も悪かったり、小ぶりだったりする。
周りの農家の理解も得られない。
売れない。
主人公の木村秋則さんは、
経済的にも社会的にも、最後の最後まで追いつめられます。
死ぬことも考えられたのです。
そこまでしたから「奇跡のりんご」と呼ばれるに至ったのです。
でも、でも、
ここフランスではそんなりんごが普通に木になっているんです。
家の庭に生えていて、
落ちた実を拾って、
そのまま食べたり、コンポートにしたり、タルトにしたり。
牛や鳥の放牧地の中にりんごの木が生えていたりもする。
saint pierru sur erveの辺りではブドウが育たないので、
saint pierre sur erveはこの辺
りんごが沢山育てられている。
りんごでシードルも作ってもいる。
有機栽培のものも普通に沢山ある。
農薬も肥料も与えなくても、しっかり育っている。
考えてみれば当然なのですが、
ここでは農薬も肥料もなかった時代から、
ずっとリンゴが育てられている。
ここでは奇跡のりんごが、
普通のりんごなのだ。
この本で私も泣きました。
リスペクトの気持ちは変わりません。
けど、
複雑な気持ちです。
パン屋業界もそうだけど、
我々はもっと真似していいんではないのかな、
伝統を持っている国に教えを請うてもいいんでないのかな。
変なプライドをもってしまって、
業界も大きくなって、そこにはそれなりに権威もあって、
教えを請うのが下手になっているのではないのかな。
と思えてしまったのです。
今回、ちょっと考えがまとまっていませんけど、
作り手だけの話しではなくて、
もちろん買い手、消費者のニーズも含めた社会全体の仕組みの責任でもあります。
deRienのfacebookページには載せきれなかった写真があります。是非みてください。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」

4 件のコメント

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    緯度がブドウの育たないとこなんですよねー。
    昔は生水もあぶなくて飲めないから、
    Jus de pomme, cidre, pommeau, calvadosが作られたそうですね。
    シードルなんて、小さい子もゴクゴク!
    そちらは飲酒運転の基準もゆるくないですか?
    何本かまではオッケー!とか?
    自己責任ですね、なにごとも。

    写真のリンゴと洋梨、
    剥いた皮をザルの上で干して水分飛ばしてから
    水と一緒に鍋に入れて、弱火で沸かせば
    うすピンク色のなんとも素敵なティザンヌに!
    好みのスパイス(コリアンダーやシナモン、カルダモンなど?)を入れてもまた美味です〜。
    捨てるとこ、ないですね。
    こっちでは、残留農薬などがどれくらいなのかわからなくて
    残念ながら楽しむ気持ちになれません、、、
    生産者の顔がみえるって、とっても大切な事ですね。

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    いなきさん>>
    最近は飲酒運転、きびしくなったそうです。でも車ないとどうにもならない地域だから。。。少しは大丈夫みたいです。(^^)
    皮も使えるんですね〜。なるほどなるほど。
    またブログ書きます〜

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    どりあんさん。久し振りにぶろぐみました。やっぱりすてきです。同感。
    私は名前も住所も変わり、今新潟に住んでいるのですが、田畑が多くてぱっとみいいんだけど、日本は田舎に行けばいくほど、オーガニックをしらない。農薬や化学肥料をじゃぶじゃぶ使わないと育たない、と、農協に洗脳されている。なんだか原発みたいだ。以前住んでいた関東のほうが当たり前にオーガニックがあった。妙だ。どりあんさん、どうか、おげんきで、いまをおもいきり楽しんでくださいね。ありがとうございます。

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    ma deva mataji さん>>みてもらってありがとうございます!そうなんですか〜。確かに妙ですよね。こちらで、何がポイントなのだろうかと思い悩んでいますが、まだ答えはでないです。とにかく、とても真面目に皆さんやってるので。おしい!と思います。

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