久しぶりに石川達也杜氏を訪ねようと企画している。
勝手に発酵の師と仰いでいる杜氏が、広島の竹鶴から、茨城の月の井へ移籍されてから、
まだ訪ねたことがないのです。
杜氏がお酒造りの中で、発見されたは事は沢山あるけれど、
自分の中で衝撃の強かったのは、「緩衝力(かんしょうりょく)」だ。
”それがどれだけ変わらないか、という力”
(実際には、お酒にアルカリ溶液をポタポタと落としていき、
酸度が変化するまでに、どれだけのアルカリが必要であったかで、数値が決まる。
今までどちらかというと、味に悪影響を与えるとされて厄介者扱いされてきた、
各種有機酸やペプチドが影響していると考えられています。)
緩衝力の高いお酒は、じっさいどう違うのか?
どんな食材にも合う。
野菜が来ようが、魚が来ようが、肉が来ようが、
甘みが来ようが、辛みが来ようが、
バシッと受け止め、顔色変えずに、笑顔で微笑む。(^.^)
緩衝力の低いお酒は華やかだ。(田村の主観です。)
でも、来るものを選ぶ。
「あ、その組み合わせは反則です。」
「あ、私(お酒)だけで飲んで頂けますか?」
ワインでも、自然派のものは食べ合わせを選ばない、ソムリエ泣かせだったりする。
パンも、自慢じゃないけどうちのルヴァン種乳酸菌のパンは、サラダから、コテコテのコッコヴァンの赤黒いソースまで受け止められる。
そして彼らは、絶対合わなそうな強敵が来るほど、こちらをワクワクさせる。
そしてここから大事なのですが、
わたしなどは、人間としても、緩衝力の高い自分でいたいものです!
周りが騒いでも、怒っていても、非難されても、
逆に褒められても、
車で割り込まれても、ベンチに座ったらガムがズボンについても、
逆に宝くじに当たっても、
バシッと受け止め、顔色変えずに、笑顔で微笑む。
まあ、じっさいは何かニヤニヤしてたら、怖いシーンもありそうですが。。
認知科学的には、
感情は人間だけがもっている。
あたりまえだけど、猫は笑わないし、ひまわりは怒らない。
長い進化で獲得したもの。人間を人間たらしめているものだけど。
この情報多き現代においては、感度が鋭すぎるし、
生き残るための進化だから、不安や、恐怖、が目立って感情にあがってくる。
だから、人間にも緩衝力が必要なのだ。
いわば、感情をコントロールする進化。
怒っても良いシーンでも怒らない。
落ち込むシーンでも落ち込まない。
あ、今思い出したけど、
斉藤一人さんは、それを”孔雀明王の修行”て言っていた。
どんな悪いことが起きても、
自分の態度と口からは、幸せを出し続ける。そういう覚悟。
それで運が開ける。というけど。
じっさいに脳内で、
「自分はこれだけのことをやれるんだ!という自己評価」
が高まっていくから。日々が変わっていっている。
東洋医学的にも、
奪われた与えられ、与えられたら奪われる。
中庸に戻ることの大切さが説かれる。
それを「緩衝力」の一言で表現してくれる、石川杜氏は、やはりすごい人だ。
そして、石川杜氏の人柄は、そのまんま、「緩衝力」を体現している見本のようなのです!
コメントを残す