パンの穴から世界を見た③ パン屋と言語の関係 

(『中国新聞』2013年5月23日掲載)

(ル・パン・コティディアン、ブリュッセルにある1号店)

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「違うことがあたりまえ」

ベルギーの首都ブリュッセル。

ここから「ル・パン・コティディアン」という、
今や17カ国175店舗以上に広がるパン屋が生まれた。
通称「パンコチ」。

今までのチェーン店とは違う。
それぞれの店舗が生々しくそこに根を張る感じ。

なぜパンコチが、
パンで有名なフランスやドイツでなく、ベルギー発だったのか。
謎を探るべく、ブリュッセルのある家庭にお邪魔した。


(↑娘さんオススメのバンド)

高校生の長女は
「来月、バンドのコンサート行きます。日本でもきっとはやりますよ!」と、
滑らかな日本語で話してくれた。

彼女は他にもフランス語、オランダ語、英語を自在に話す。
さらにスペイン語を始める予定とか。

でもベルギーでは普通だよ、
と聞いて驚いた。

ベルギーは昔から交通の要衝、
常にヨーロッパの領土争いの中心地だった。

民族構成も複雑で、
公用語が3言語(仏、独、オランダ)になった。
欧州連合(EU)本部もあり、英語も必須だ。

学校も「イマージョン教育」といい、
月水金はフランス語、火木はオランダ語で、とか、
数学科学は◯語、体育図工は◯語で、となっている。
だから、3、4言語話せてしまうらしい。

そこで、フランスの日仏カップルの話を思い出した。

子ども3人がいる5人家族。
日本語とフランス語で会話し、
食事も日替わりで和仏、完全2カ国文化。

なぜか子どもたちは皆、学校の成績はトップ。

お父さんは不思議に思い先生に聞いてみたそう。

先生は

「お宅のお子さんたちは頭が開いています。
未知のもの、異なったものを、何の躊躇もなく頭に入れてしまう。
だから理解が早い」
と。

お父さんは彼らを二つの言語文化で育てる上で

「どっちが良い悪いとか考えるな。ただ違うだけだ」

と教えていたそうだ。

そう、
脳の壁をなくしたから頭が開いた。

だったら3、4言語が当たり前、
違うことが当たり前のベルギー人は、
どれだけ頭が開いているのだろう。

「パンコチ」が世界のどの国でも溶け込めるのは、
そんなことも関係しているのかもしれません。


(写真二つとも:ブリュッセルにあるパンコチ1号店)

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