パンの穴から世界を見た⑬/美食世界一の町は海が綺麗すぎる

(中国新聞、2013年8月19日掲載)

スペイン北部の町サンセバスチャン。

「人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか」という本を読んで来た。

著者は女優の沢尻エリカの夫の高城剛氏。
奇麗な嫁さんもらっちゃってよお、
と世間一般男子と同じく皮肉気味に思っていたので、
最初は興味本位で読んだのですが、
町の「活気づくり」にビシッと焦点を定めた本だったのです。

サンセバスチャンには星付きの店もたくさんあるのですが、
私たちはバルでのタパと呼ばれる
「ひとつまみで食べられる料理」(主にパンの薄切りに乗っかっている)


に狙いを絞って参戦。

店に入るとカウンターがあり、その上にタパが並び、周りに客がひしめいている。
そこへ少しずつまずは片腕を、徐々に肩を、
隙を見て体を滑り込ませて居場所を確保し、
ワインとタパを2、3個頼んで7ユーロ。

周りのワイワイに混ざってパクッとすると「ありがとっ」と店を出る。
そして店をハシゴするわけです。

店によってイワシ料理、ハム料理、独創奇抜系料理などと、
得意分野があって楽しいハシゴ。

お客を1店舗で独占せず、たくさんのお店を回ってもらう。
通りに人はあふれ、店内もガヤガヤ、店員も客もなんだか楽しくなる。
街全体の活気で人を呼び更に活気づくアキハバラ方式。

町主催のイワシ祭りも発見。
炭火焼きのイワシとパンとシドラ(りんごの酒)1本のセットで11ユーロ。


野外テーブルで食べる。
コンサートもやっていて、みんな横揺れしながら食う。
毎週末祭りをやっている。

「活気とは料理? 売り方? イベント?」

などと考えつつ、海べりに出た。

澄んだ海、ごみ一つ無い砂浜。


散歩、水泳、日光浴、ヨットにサーフィン。
みんな思い思いに楽しんでいる。

そうだ海だ。

この町は旅人をあの手この手で楽しませている。
でもそれは、
中心にドッシリと海があるからなのだ。

それを体感すべく僕も泳ぐ。
視線も泳ぐ。
西洋人のゴージャスボディーにトップレス。

最後まで世間一般男子には興味の尽きない町なのでした。

(砂浜は毎朝清掃されている。町の姿勢なのだ。一般のゴミ拾い運動に頼っている日本との違いは大きい。涙)

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