山登りとパンの秘密めいた関係


昔、真夏に山に登った時のこと。
その日は8月のうだるような暑さで、
沢沿いを登っていると、
蒸して蒸して、
訓練の為に重い荷物を背負っていたのもあって、
1リットル以上の水をあっという間に飲んでしまった。
もうその日飲む分の水は飲み尽くしてしまって、
どうにもならなくなって、
小さなきれいとはいえない沢の水をすくって飲んだ。
美味しかった。
山で経験した、
そんな根源的な「おいしさ」は、
自分の今のパン作りにも影響を与えています。
人間が「おいしい」と思うのには段階があって、
それは体が求める順番です。
まず、
水と塩、
これが不足すると体が求める。
求めているものを摂取すると「おいしい」という信号が脳にながれる。
その次は、
エネルギーとなる、
糖質や脂質、
これも不足してる時は無条件に「おいしい」
それらが満ち足りた時の「おいしさ」は、
体の維持に必要不可欠な、
各種のアミノ酸を求めるようになる。
パンには、それらのものが歴史的に求められている。
水分と塩を含み、
糖質を含む。
アミノ酸は現代のパン作りではパンに含まれていないけれど、
伝統的なパン種を使うことで、
乳酸菌が小麦のタンパク質を分解することで創りだされる。
だから、
パン種で作ったパンは、
じんわりと体にしみる感じがするけど、
それは実際にアミノ酸が体に行き渡ることを感じているからです。
そんな山登りをしていた頃の経験を、
「第一回焚き火会議ーそもそも、そんなに攻めるつもりはないけど、一応知っておきたい山で死なない装備編 」
で講師としてお話いたします!
パンに関係無いようでも、
関係しているのでいるのであります。
deRienのfacebookページには載せきれなかった写真があります。是非みてください。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」