モンゴル旅⑪ カザクの山羊のさばき方

朝↑ボールツォグ(小麦を練ったのを揚げた菓子。家庭でもよくつくって乳茶とこれで軽食とする)食べてスーテーツァイ(乳茶)を飲み穏やかな気分でいたら、

「山羊を締めるぞ!」

と牧民のジャナットさんに呼ばれる。
しかも、彼のしたり顔を見て、
もしかして!
と思ったのですが、
山羊の首の下に洗面器を置いたので、
「!!」
と衝撃が走った。

ジャナットさんは、
バヤンウルギー出身でカザク族。
羊や山羊の絞め方がモンゴル方式と違って、首を切るのだ。
中央アジアを舞台とした漫画「乙嫁語り」
で出てくる締め方だ。

先日、羊を締めるのを手伝った時に、
「カザクのやり方は違うんだよ」
と教えてくれたので、
いつか実践の時がくるかもな、
と思ってはいたけど、
それは突然やってきた。

山羊の足を結んでいた縄を解くと、
ジャナットさんは、
サっと、躊躇することなく、
山羊の首の血管を切った。

自分は、
足を抑えて、首の下で洗面器で血を受ける係。

当然、血は暖かく、
山羊の激しい息遣いも、最後の力も、
手に伝わってくる。

最後のため息のような、声。
魂の抜ける感じ。

さすがに、
これは写真載せないけれど、
首を切ったことが残酷だ、
というのは、それは違うと感じた。

逆に、
この痛みを全く知らずに、
肉を食べ続ける方が、
命を無視しているようで、
残酷だと感じる。

倉庫の中でそんなことをしていたら、
「馬が来たぞー!」
という声で、
皆んなで外へ走り出た。

メス馬たちは、
柵に追い込まれるのに慣れてなくて、
走り回る。
それを皆んなで声だしたり、
手をフリフリしてりして、
柵に追い込む。

そして、
縄で捕まえて、
3本の足を結んで、
と大変な騒ぎなのだ。

干ばつ続きだった5年間、
メス馬は乳を絞られる事なく過ごしてきたので、慣れてない。

そしてかわはぎ再開。
難しい。力がいる作業。

ふみさん仔馬を捕まえるの図。

山本さん(お世話になってるモンゴルホライズンの)仔馬を捕まえるの図。

ふみさんウルム(膜になったバター)つくり。
この泡が必要。

風は厳禁です!!

オナガ(仔馬)を捕まえて、
少し飲まさて、
牧民のアセンバイさん(歌が上手い)が搾る。
足結ばれててもキックを試みてくる母馬。
こえー。

ウルム完成。

ゲデス=さっきさばいた山羊の内蔵を茹でてます。

エレム=肝臓を、
セムチ=腸膜につつんで、
薪の上に乗っけて焼く。

うまい!!!

15時
昼ごはん、
ツァンスン ゲデス(茹でた内蔵たち)
今日は、
内蔵すごい食べた。
体が求めているのかな???

馬に乗って行った先で、

謎のキュウリばたけ。
ビニールハウス見学。自分はキュウリ嫌いなのだけど、、、牧民さんたちは好きみたい。キュウリといい笑顔。
畑も少しずつ増えているんだな。

20時ぐらいから
ボーズ(蒸し餃子)作り。
自分は生地伸ばしをさせてもらって、
ふみさんは包むのをやりました。
こういうのを、ささっと作ってしまうし、
残った生地もあっという間に麺になる。
かっこいい。


朝の山羊をしめてから、
内蔵を茹でて食べ、
肉を蒸し餃子で食べて、
締めるときは毎回衝撃的だけど、
やっぱり美味しいのです。

月が綺麗です。