知恵、
大好きな言葉です。
でも意外と知られていないのが、
知恵とはなんぞや?
ということ。
では、例えば、
知恵を感じるのはどんなとこ?
酒蔵での酒造りとか、
田んぼでの米作りとか、
昔ながらの建築だったり、
そして、
伝統的な製法であればパン作りからも、
だったりします。
自然界には、
いろんな生物がうごめいていたり、
邪魔したり、助けてくれたり、
乾燥してたり湿ってたり、
酸性だったりアルカリだったり、
暑かったり寒かったり、
します。
そんな自然界の皆さまと、
「まあまあ、そこはどうにかならんでしょうか?」
と折り合いを付けていくことが知恵です。
まさに、自然界と人間界の境界線上でのやり取り、折衝、談合、裏金、
それが知恵です。
パンだって、
乳酸菌や酵母菌に好きなようにやらせておくと、
ただのドロドロの物体になります。
そこをなんとかお互い納得の玉虫色の解決策をだすわけです。
その一つ一つが知恵です。
ルヴァン(発酵種)も知恵。
配合も知恵。
窯の火の加減も知恵です。
その知恵が積み重なって行くと、、
文化になります。
ヨーロッパのパン文化はしっかりあるけど、
日本のパン文化がいまいち薄いのは、
知恵の厚みがないからです。
サラサラっと何か入れて、
ガーッとやってしまえば、
そりゃ文化はペラペラです。
業者が持ってくる新しい素材や製法を試すような暇があれば、
古いパン作りから学ぶ知恵は限りなく有るはずなのです!
文化は人間にとっては、
毛布のようななんだか気持ちのよい安心できる存在です。
なぜ安心できるかというと、
こうすりゃいいんだよ〜、
という安心材料の知恵が折り重なっているからです。
言い換えれば、
ご先祖様たちの汗と涙でためた貯金です。
貯金額が分厚ければやはり安心です。
だから、
力まかせに、これが科学の力だ〜と、やってしまっては、
知恵が働く場面はなくなります。
知恵は忘れられて、、
そしてだんだん文化が痩せて、、
なんだか、
みんな不安な心もとない感じになってしまいます。
だって、人間だもの、、です。
人間は文化の毛布でぬくぬくするのが好きなんです。
だから各国各地域に文化があるんです。
日本の工業化を支えたのは、
実は農村社会や、職人社会の知恵だったと思います。
でも、
いまやそんな知恵を効かせて働く人々や集団が減っている。
農村がさびしくなり、
職人よりも、
パソコンの前の方が儲かる。
きっとこのままでは、
あまりよろしくありません。
エネルギーが枯渇するというか、貯金を使い果たしてしまいます。
となるとやはり、
農、職人を目指せ!
となるのですが、
最近の研修や見学にくる若者をみていると、
その辺り、
わかっている気がします。
その辺のおっさんよりよっぽど立派です。
明るい兆しありです。
コメントを残す