クリスマスの光と影とトウガラシ


(↑クリスマスの光の部分の図)
メリー・クリスマス!

クリスマスと言えば、
トウガラシですね。

あれは、
上京し大学に入り初めて彼女もできたクリスマス。

若いです。
当然気合が入ります。

青山通りでイルミネーション見て、
そしてあそこを通って、
あそこへ行って、
あーしてこうーして、と、
いろいろプランニングしていたのですが、、

なんと前日になって、
風邪を悪化、発熱。
焦っても熱は下がらない。

そんなとき、どこぞで耳にした言葉が脳裏をよぎったのです。

「お風呂にトウガラシを入れると、体もポカポカ、風邪もなおりますのよ。ホホホ」

そうだ、
俺にはトウガラシがいたんだ!

さっそくフロを沸かし、トウガラシを投入。

「トウガラシは1個で十分ですわよ。フフフ」

と聞いていたのだけど、
そんなのは生ぬるい。

例えば、
こんなでっかい湯船に、
昆布一切れでダシなんか出るはずない。

だから、
トウガラシだって、その効き目はそう簡単ににじみ出てくるはずがない。

そう自分に言い聞かせ、
明日の本番に向けて全快を求め焦っていた僕は、
ダバダバッと真っ赤な彼らを投入した。

そして静かに入湯。

なんともないじゃん、と思った。

その平和な水面は、
映画『ジョーズ』のサメが出てくるまえに、
サーファーが漂っている海に似ている穏やかな光景だった。

そう、
やつはガツンと突然来たのだ。


(↑クリスマスの陰の部分の図1)

絵に描いたように、湯船から飛び出した。

身体中の”弱い部分”が痛い。

「あ”〜〜〜」

と声にならない声をだし、うずくまり耐える。

湯気が目に入り目も。

「目が〜〜〜〜」


(↑クリスマスの陰の部分の図2)

そして僕は身をもって更なるトウガラシ効果を思い知ることになる。

[効果その1♡=浸透力]

水で洗い流せばいいじゃん、
と皆さんは思っているだろう。

それくらい僕もやった。

しかし、一度肌身に染み込んだトウガラシ効果は、
刺青のように肌の奥に侵入し、洗い流すことは不可。

「あ”〜〜〜」

[効果その2♡=持続力]

そしてその持続力は凄まじく、
痛みは一向に収まらないどころか、
ジワリジワリと内部に浸透していき、ますます痛くなる。

”耐えていれば収まる”
そのわずかな望みを失った時のショックは大きすぎる。

「あ”〜〜〜」

一瞬、
死ぬかもと思った。

男子学生、クリスマスに風呂場で不可解な悶絶死。
静まった部屋のラジオからクリスマスキャロルだけが流れている。

そんな最後はイヤだ。

その一念が、僕をベッドまではい戻らせた。
その後しばらくの事は覚えていない。

結局、
余計に湯冷めして(そもそも温まってない)
クリスマスは寝込んで過ごしたのでした。

気合が入った時の男子の知能は、
きっとチンパンジーよりも低いと思われる。

それゆえに、今年もきっと何処かで、
沢山の悲劇が繰り返されるのでしょう。

クリスマスの夜に、
僕は空に向かって十字を切る。

それはキリスト様へ向けてではない。

愚かで愛すべき多くの男子殉職者に向けて、
安らかに成仏してくれ!アーメン。涙
という意味なのです。

クリスマスの光があれば、
そのぶん沢山の陰もある。

そんな傷に寄りそうには、
キラキラしたパンではだめでしょう?

八丁堀店、今日24日はそんな彼らの為にオープンしています。

いつもと変わらぬ地味なパンが、
”ドンマイ!ナイスファイト!”
と待っておりますよ。

deRienのfacebookページには載せきれなかった写真があります。是非みてください。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」

2件のコメント

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にゃんこにゃんこさん>>ありがたいですよ!!クリスマスの思いでも成仏できます。涙

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