わたしが牛だったなら


車の助手席から農村風景を眺めていた。
トウモロコシ畑があり、
収穫されたばかりなのか、
半分は赤茶色の土があらわになっていた。
トウモロコシ美味しそうですね。
というと、
どうやらちがう。
あれは、
牛のエサ用のトウモロコシなのだ。
こちらの牛は、広い牧草地を歩き回って生活している。
粘土質で畑に適さない土地が多く、気候的な条件もあって、
この辺りは牛の生産量の多い地域である。
夏の間、
牛達は牧草地の草を自由に食んで過ごす。
酪農家はその牧草地の傍らにトウモロコシを植え、
秋に茎も葉っぱも実も一緒に刈り取り、切り刻み、
山のように積み上げて甘酸っぱく発酵させる。
牛はそれが大好物なのらしい。
それと干し草を混ぜたものを、冬の間は牛に与える。
これは、日本の常識からすると、驚くべき事である。
サラリとあたかも当然のように、エサの自給率が100%なのだ。
しかも酪農家自身がその敷地内で自分の牛達のエサを時給している。
国内自給率どころか、敷地内自給率が100%なのだ。
牛の食べ物はその傍らに生え育っている。
生命として非常にシンプルで、
そして頭にスッと気持ちよく入ってくる理論だ。
だからこちらの肉は牛にしても何にしても、
味云々ももちろんだけど、
なんだか美味しい。
健全、な感じがする。
そして農家は、
でもこの発酵トウモロコシは牛が大好きすぎて、
牛のお腹にガスが溜ってはあまり良くないんだ。
というところで悩む。
悩む事柄の次元が、なんだかほのぼで、うらやましいです。
deRienのfacebookページには載せきれなかった写真があります。是非みてください。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」

2件のコメント

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日本では輸入飼料代の高騰で、乳価も上がり続けてますもんね。
乳製品ばかり使う僕らは大打撃!
チモシー、イタリアングラス、穀物飼料、産地を調べると、、、
おぉー外国ばっかり!
窮屈な牛舎で、ご飯には成長ホルモンも入ってて、、、
うーん、不健全、、、

乳牛で言えば、日本では5種、フランスは26種もあるそうで。
でも違う種類の牛飼ってても、集めてみんな混ぜちゃうらしいのですが(笑)
日本だと、ジャージーがなんちゃらといって付加価値が付いちゃうのに。
色んな牛がいるから、脂肪球の大きさなどもバラバラ。
それが乳の余韻を複雑にして、
味わい深くするそうです〜。

なんだか美味しい>>ここ、とっても好きです!

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inakiさん>>お菓子屋さんは乳製品が最近不安定だから大変ですよね。職人も技術も日本はすばらしいと思います。どの産業にしても。
ただただ、食材、食料の将来性は、、、不安ですね。

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