フェリーの中で粉を練るのだ


北海道へ向うフェリーの中。
波はない。
本を2冊読む。
19時。北海道の陸地が見えてくる。
13年ぶりだ。
23歳のとき。山の勉強で住んだ北海道は性に合った。
広い。涼しい。山や川や湖がきれい。
自由な感じがした。
人生に何の制約もなければ、北海道に住んでいただろうな、と思う。
でも後悔はない。
この間は、自分なりに頑張ったし、自信もついた。
なによりドキドキばかりで楽しかった。
13年前、北海道を離れた時。
僕は何でもなかった。
風が吹けば飛んでしまうようだった。
どうやって、自分の理想と現実をすり合わせ、
それでいてお金も頂くという、都合の良いことが可能になるのか?
そもそもそんなこと可能なのか?
全くわからなかった。
理想を追いかけると、現実社会では成り立たず、
ただの能書きだけの、
稼ぎも無い、
甲斐性なしだ。
そんなだから、人にも裏切られ、
北海道は僕にとって、好きなのに近寄りがたい。
そんな土地になった。
そうして、
13年ぶりに北海道へ向うフェリーの中で、
僕はパン種を継ぐべく、粉を捏ねている。
これまで理想を曲げたことはない。
と思ってる。
もしも、
北海道の道ばたで昔の僕に出会ったら、
どう言われるだろう。
頑張ったね。
と言ってくれるだろうか。
その程度ですか。
とあきれられるだろうか。
それもまた。
これから先の生き方次第なのだな。
がんばろ。
と、少々感傷的な、
21時、小樽港入港なのでした。
ーーー
種継ぎ情報
18:30(前回から17時間)
タネ50%
水50%
メモ
種のご機嫌をうかがいつつ。
ーーー
deRienのfacebookページには載せきれなかった写真があります。是非みてください。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」

2件のコメント

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昔向洋に住んでいました!
そして今は札幌に住んでいます。
北海道に来られているのですね。
出来るならパン教室にお邪魔したかったのですが、札幌からは微妙に遠いため断念。
本当に本当に残念です。
お会いしたかったです!!!

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ぱんこさん>>
そうでしたか〜〜!でもまた来ますよ(^^)
喜茂別のソーケシュ製パンで合同開催したパン教室は札幌の方も多くいらっしゃいましたので、次回はぜひ!
一気に北海道人脈が広がって楽しくまた来れそうです〜

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