精肉店とモンゴルとやさしい共通点


(↑羊を解体中のバヤンムンフ君)
映画「ある精肉店のはなし」を見にいきました。
牛を自ら飼育して、
屠畜して、
肉として売るお肉屋さんのはなし。
肉に対して優しいな。
と思いました。
昔モンゴルに住んでた時に、
大きなヤク(毛の長い大きな牛みたいなのチベットによくいる)をさばくのを手伝ったことがある。
投げ縄で捕まえ、
大人5人ぐらいで引っ張っても、砂ぼこりをあげ、ずるずる引っ張られていく。
だんだん縄が首にしまり、
動きを止めるヤク。
そこへ遊牧民のリーダー格のベギーさんが、
ヤクの眉間にハンマーで一撃して、
すばやくナイフで心臓をさした。
血が湯気をあげて流れでた。
ゴフーと、
まるで大きな溜息のような、
魂が抜けるような音とともにヤクの体から力が抜けていった。
その音がとても記憶に残っている。
神々しい音だった。
ちょっと怖くなった。
それからみんなで皮をはぐ、
皮を剥ぐのは力も技術もいる大変な作業だ。
日が暮れて寒くなっても、
皆もくもくと、
車のライトを当てて作業は続いた。
女性たちは内蔵を洗っていた。
かれらは、
骨がピカピカになるまで肉をきれいに食べる。
捌くときには祈りをささげる。
捌くときには、
ヤクにしろ羊にしろ牛にしろ、
”生きたい!”
という思いが言葉は話せなくても伝わってくる。
力いっぱい振りほどこうともがく。
すまん、命をくれ!!
と拝むような心境で、
人はいろんな命を食べるのだと思う。
だから、優しくなる。
無駄にはできないな、と思うからだろう。
罪を知ってる人こそ優しい人なのかもしれない。
と、
今日の映画を見ていて、
精肉店のファミリーの優しい表情に、
そんなことを思い出しました。
deRienのfacebookページには載せきれなかった写真があります。是非みてください。
「石窯で焼く天然酵母パン/Boulangerie deRien」