モンゴル旅⑩山羊の悲鳴とホルホグ

10時頃、
「メーー!!メーーー!!!」
山羊の悲鳴をきいて倉庫に行くと、
3本の足を結ばれた山羊が横たわっていた。
山羊の声はなんだか人間に似ていて、
悲痛な叫びに聞こえる。

バータルさんが、
山羊の結ばれてる足を解いて、
みぞおちをナイフで切って、
手を差し入れて血管を切った。

(別の遊牧民ジャナットさんはバヤンウルギー地方出身でカザク族。
あちらでは羊の首を切る、と教えてくれた。
ちなみに、あちらの羊は「赤い羊」で、こちらよりも美味しい、と言っていた。バータルさんはこっちの人なので、「あれはまずい」て言っていた。郷土愛。)

「今日は、ホルホグを作る」
とバータルさんは言った。

ホルホグとは、
羊や山羊を、
牛乳を入れる大きな金属製の容器に、
焼いた石とともに入れて、
蒸し焼きにする。
という豪快な料理です。

いつもの羊解体なら、
手足の関節から皮を剥いで行くのだけれど、
ホルホグにする場合は、
皮も一緒に焼いて食べるので、
そのまま腹を割いて、
内臓を出した。

(今回はバータルさんの妻バットチメグ さんが体調悪いからか、内臓の処理はなかった)

そして、
後ろ足に切れ目を入れて、
フックにぶら下げて、
毛を焼いて行く。
焼いてはナイフでこそげとり、
を延々と繰り返す。

ある程度毛を焼いたら横たえさせて、
さらにじっくりと徹底的に焼く。
前後の足(フックにかかっているのは除く)は、関節より先は食べない。
だからそれより内側は徹底的に毛を焼く!!

毛を食べるとお腹を壊す。
と言っていた。

焼けてツルツルになったら、
今度は水をかけながら金だわしでゴシゴシ洗う。

10時に絞めて、
ここまで終わったのは12時。
大変な作業だ。

小さな子供達も、
大人の作業を見ている。

ここで作業はひとまず中断。

ーーー

馬がゲルを覗く。

今日は久しぶりに一日中気持ちの良い天気だった。

ーーー

夕方18時くらいから、
ホルホグの製造再び。
ストーブで石を焼く。

肉を切る。

玉ねぎを切る

焼けた石と肉を交互に入れる。
洗った、ニンジンとジャガイモを入れる。
塩と胡椒、醤油を少々、水をザーッと。
18時半〜20時まで焼く

そこから、
自転車で、少し離れた牛の乳搾りのところまで行った。
そしたら、バータル家のちびっこ3人も付いて来た。
牛乳持って帰ってから、
ちびっこと野球的なものして遊んだ。
ふみさんはお姉ちゃんとサッカーしていた。

そんなことしていたら、

出来上がり!
ホルホグだと、皮も食べられるから、
コラーゲンプルプルが食べられる。

にしても、さばくところから手がかかってる。
まさにご馳走だ。

馬乳酒も飲んで、お腹いっぱいでした。

食べてるもの飲んでるものが、
この目の前の草原から生み出されている。
というのがしみじみ美味しいです。